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ALS400C EQCMアナライザー
ALSモデル400Cシリーズは、電気化学 測定と水晶振動子マイクロバランス法と組み合せたEQCM(Time Resolved Electrochemical Quartz Crystal Microbalance)アナライザーです。
Windows™ OS下にて、高速な電気化学 反応ならびに質量変化を同時に測定できます。
- 特長
- 仕様
- テクニック一覧
- 測定例1
- 測定例2
- オプション
電気化学 水晶振動子マイクロバランス法による高感度微量天秤
電気化学 測定装置のALS400Cシリーズは、データ記録時の時間分解能の向上が図れます。ノーマルカウントモードの場合、1 Hzの周波数の変化を観察するのに1秒必要です。0.1 Hzの周波数の変化を観察するのに10秒必要となります。データは1または10秒毎に記録されます。このことは記録が大変遅くなり、1 mV毎のCVと同期させる場合スキャン速度は1 mVまたは0.1 mVとなります。1 mVデータ記録で100 mVスキャン速度を使用する場合、周波数解像度は100 Hzになります。
ALS400Cシリーズの場合、参照クリスタルと作用クリスタルを用います。この2つのクリスタルの周波数差は高周波数カウントを行うために用いられます。周波数差が1 KHzと仮定し、20 MHzがカウントされる場合、各周波数サイクルの差は20,000カウントします。時間分解能は1/1000 Hz=1 msとなり、周波数解像度は1000 Hz/20000=0.05 Hzとなり、高速掃引が可能です。
※水晶振動子は接続方法を間違えると正しく測定できません。接続方法につきましては、こちらのページをご参照ください。
パラメータ | モデル400Cシリーズ |
ポテンシャル範囲 | ±10 V |
電流範囲 | ±250 mA |
出力電圧 | ±12 V |
感度範囲 | ±10 pA ~ ±0.25 A(12レンジ) |
入力インピーダンス | 1×1012 Ω |
最小電位分解能 | 100 µV |
最大サンプリング速度 | 16bit @ 1 MHz |
バックグラウンド電流 | < 50 pA |
電流分解能 | 0.3 fA(電流レンジの0.0015%) |
スキャン速度 CV | 1×10-6 ~ 5,000(V/sec) |
パルス幅 CA, CC | 0.0001 ~ 1,000 sec |
パルス幅 DPV, NPV | 0.001 ~ 10 sec |
周波数 SWV | 1 ~ 100 kHz |
iR補償機能 | ◯ |
対応OS | WindowsTM 10※ / 11 |
インターフェース | USB 2.0 |
大きさ(W×D×H) | 365 × 235 × 125 mm |
重さ | 3.5 kg |
※Windows™ 10 Sモードには対応しておりません。Sモードの場合は、解除を行ってください。
また、対応するのはマイクロソフト社がサポート中のバージョンのみです。
テクニック | 400C | 410C | 420C | 430C | 440C |
CV | ● | ● | ● | ● | ● |
LSV | ● | ● | ● | ● | ● |
SCV | ● | ● | |||
TAFEL | ● | ● | |||
CA | ● | ● | ● | ● | |
CC | ● | ● | ● | ● | |
DPV | ● | ● | ● | ● | |
NPV | ● | ● | ● | ● | |
SWV | ● | ● | ● | ||
ACV | ● | ● | |||
i-t | ● | ● | |||
SHACV | ● | ● | |||
DPA | ● | ||||
DDPA | ● | ||||
TPA | ● | ||||
IPAD | |||||
BE | ● | ● | ● | ● | |
HDV | ● | ||||
IMP | |||||
IMPT | |||||
IMPE | |||||
CP | ● | ||||
CPCR | ● | ||||
PSA | ● | ||||
OCPT | ● | ● | ● | ● | ● |
SSF | ● | ||||
STEP | ● | ||||
ISTEP | ● | ||||
RDE | ● | ● | |||
QCM | ● | ● | ● | ● | ● |
Lmt CV Sim | ● | ● | ● | ||
Full CV Sim | ● | ● |
テクニック略称一覧
- CV: サイクリックボルタンメトリー
- LSV: リニアースイープボルタンメトリー
- SCV: 階段状ボルタンメトリー
- TAFEL: ターフェルプロット
- CA: クロノアンペロメトリー
- CC: クロノクーロメトリー
- DPV: 微分パルスボルタンメトリー
- NPV: ノーマルパルスボルタンメトリー
- SWV: 矩形波ボルタンメトリー
- ACV: 交流ボルタンメトリー
- i-t: アンペロメトリー
- SHACV: 第二高調波ボルタンメトリー
- DPA: 微分パルスアンペロメトリー
- DDPA: ダブル微分パルスアンペロメトリー
- TPA: トリプルパルスアンペロメトリー
- IPAD: 積分パルスアンペロメトリー検出
- BE: バルク電気分解/クーロメトリー
- HDV: ハイドロダイナミックボルタンメトリー
- IMP: 交流インピーダンス
- IMPT: インピーダンス/タイム
- IMPE: インピーダンス/ポテンシャル
- CP: クロノポテンショメトリー
- CPCR: クロノポテンショメトリー/タイム
- PSA: ポテンショメトリックストリッピング分析
- OCPT: Open Circuit Potential-Time
- SSF: スイープステップファンクション
- STEP: マルチポテンシャルステップ
- ISTEP: マルチ電流ステップ
- RDE: RDEコントロール
- QCM: Quartz Crystal Microbalance
- Lmt CV Sim: CVシミュレーション(機能限定版)
- Full CV Sim: CVシミュレーション
QCMの原理
水晶振動子マイクロバランス(Quartz Crystal Microbalance, QCM)は、電極表面 におけるナノグラムオーダーの質量変化を、周波数変化として検出することが可能な高感度検出デバイスであり、気相中および液相中において現在広く使用されています。QCMは水晶圧電素子の振動数が、素子の電極上で起きる極微小の質量変化に応答して変化することを利用します。
一定の振動数で振動している水晶振動子表面に物質が吸着すると、その質量分だけ振動数が下がり、脱離すると振動数が上がります。水晶振動子マイクロバランス法とは振動数の変化から吸着/脱着した物質の質量変化を知る手法で、1 ngの質量変化まで観測可能です。
Δ f = -2Δm fO2/(A (μ ρ)1/2)
fO(結晶周波数): 7.995 MHz
A (電極面積): 0.196 cm2
ρ(水晶剛性率係数): 2.947 1011 g/cm·s2
μ (結晶密度):2.684 g/cm3
EQCM
QCMの電極(白金、金、銀)を作用電極または指示電極として電解しますと、電解中に電極上で起きる質量変化を振動数の変化として測定できます。サイクリックボルタンメトリー(CV)と同時に振動数変化を測定すことで、電極表面の現象を電流と質量の両面から追跡でき、貴重な知見を得ることができます。また、リニアースイープボルタンメトリー(LSV)やクロノアンペロメトリー(CA)やアンペロメトリー(i-t)やクロノポテンショメトリー(CP)と同時に振動数変化を測定できます。EQCMは電極反応生成物の吸・脱着、金属の電解析出など、電極表面で起きる種々の現象の研究に利用できます。
CVまたはLSVのパラメータアイコンをクリックし、必要なパラメータを入力します。
実験条件:1mM CuSO4/1M H2SO4 の溶液中です。
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