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1.3.3 微分パルスボルタンメトリー(DPV)
DPV テクニックは先の2 つのテクニックと異なり、電流は各パルス間隔で二度サンプリングされます。ポテンシャル波形は図14 に示します。
パルス振幅は一定であり、ベースポテンシャルが小さなステップで増加します。即ち、階段状波形に小さい振幅のパルスを重畳しています。電流はパルス前(i1)とパルスの終了時(i2)でサンプリングされます。差(i2-i1)がベースポテンシャルの関数として記録されます。還元を例にしますと、レドレックスポテンシャルより十分正の電位では電極反応は起こらず、電流差はゼロです。レドックスポテンシャル近傍では電流差は最大に達し、拡散律速になると再び電流差はゼロに減少します。NPV では、初期電位はファラデー反応が起こらない値に設定します。
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図14.DPV のポテンシャル波形
DPV の感度はNPV とSWV の中間です(20 µ A /mM)。検出下限は10-7M 以下になります。
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図15.DPV の典型的な電流応答