1.7.3 トリプルパルスアンペロメトリー(TPA)
単純なアンペロメトリーでは還元糖、第一級アミン、チオールの検出は高電位を必要としますので感度と選択性が低減します。
トリプルパルスポテンシャル波形（TPA）は特にこれらの分子に適しています。名前が示すように、３つのポテンシャルパルスが遂次的に印加され、電流はそれぞれのパルスの終了時にサンプリングされます。（図33）
この波形は必要なサイクル数繰り返され、電流サンプルの１つが時間の関数として提示されます。（他の２つは後の処理のために保存されます。）
糖の検出の場合、パルス列は次の通りです。
１番目のパルスで電極表面をクリーニングし、第２のパルスは表面に酸化層を作り、目的の分子を電極に吸着させるポテンシャルです。そしてこれらの分子の検出を３番目のパルスで行ないます。これは特殊な例の場合ですから、TPA は多くの電気化学センサーの応用に使用することができる一般的な目的の波形と考えるべきでしょう。
図33.TPA のポテンシャル波形
