資料室


3.1 炭素とは

炭素材料は、優れた耐熱性・耐触性・潤滑性があるうえ生体親和性・吸着活性を示すなど、物理的・化学的に極めて特徴的な数々の性質を持っています。これは炭素原子が、その結合にあたってsp・sp2・sp3 の3 つの電子状態をとるため、カルビン(carbin)・黒鉛・ダイアモンドという炭素同素体による完全な結晶構造をとること、 さらに、それら三種の混合からなるほとんど無数ともいえる構造をとることによるものです。また炭素材料は、プラスチックスや金属材料などとは異なり、本質的に不溶・不融であり塑性成形加工を行うことが極めて困難です。そのためほとんどの炭素製品は、予め製造した黒鉛ブロックに機械切削等の二次加工を施すことによって得られています。それゆえ、軟質な炭素材に限られ、加工によるバラツキが多く、炭素の有する特性や機能を十分に活かした炭素製品を安定して得ることが非常に困難となっています。
現在、炭素材料は計測・生体・電子・触媒・エネルギー・宇宙など数多くの新規分野で利用されていて、要求される機能や形状などがより多様化してきています。そのため従来からある炭素材の製造方法と性質だけでは、その要求に対応しきれなくなりつつあります。
そこで、高感度・高純度・不浸透性・高強度・高硬度・高弾性率・可撓性・高靭性等の優れた機能を備えたうえ、形状を高精度に制御した高機能炭素製品の出現が期待されています。
それを得るために、化学反応手段や物理的手段に基づく新しい製造技術が創製されはじめているのです。そしてその一つが、PFC(Plastic Formed Carbon)製法です。

line
トップページ EC Guide  EC Guide/3.0PFCE電極