3.2 PFC製法とは
PFC 製法とは、任意に設計された機能・形状をもった高機能炭素材料の製造方法であり、要求される炭素の特性や機能を十分に発現させることを目的として、三菱鉛筆?が開発した製造方法です。
その加工法の特徴は、プラスチックス製品を作るのと同様な加工方法を用いて成形し、理想的に炭素化して、二次的な後加工を施すこと無く炭素製品を得ることにあります。
炭素化とは、熱処理によって本質的に炭素以外の異種元素の除去を伴う炭素元素の縮重合反応であるため、揮発性物質の発生と成形物の変形や収縮を回避することが困難です。
そのため、後加工を施すこと無く任意の機能・形状をもった炭素製品を得るには、成形・焼成段階などに於いて機能・構造を制御する技術を確立することが必要不可欠でした。
PFC製法では、原料素材の選択、配合組成と調合、構造の構築、前駆体の調整、炭素化の処理条件等を制御するとともに、成形物の変形防止や、体積収縮の精度高い読み込みを行う技術を確立することにより、設計どおりの機能・形状をもった高機能炭素材を製造することが可能になりました。