3-3 薄層型 電気化学フローセル型電極
電気化学 測定用の薄層型フローセルと専用の電極は、電気化学を用いた流れ分析(フロー分析)などの研究用としてご利用いただけます。
作用電極素材の白金、金、銀、カーボンペーストそしてニッケルはその他特殊な分析にも用いられます。
特長
- 短時間で安定します
- スタンダード電極はデュアルタイプ(クロスフローセル)
- 酸・アルカリ・有機溶媒の条件下で使用できます
- 1.電極をパラレル/シリーズ配置による応用
- 2.シングル電極としても利用できます
- 作用電極はPK-3研磨キットを使用した研磨で再生が行なえます
- 化学修飾電極/バイオセンサーとして利用できます
- 電極が埋め込まれているブロック部分には耐薬品性に優れたPEEK樹脂を使用しています
クロスフローセルの構造
薄層型フローセルの代表クロスフローセルでの溶液の流れは電極表面上をクロスフローとなる
最も一般的なアンペロメトリックセルです。クロスフローセルは1mL/minから100µL/minまで
までの流速で電気化学活性物質を10-15M(フェムトモル)レベルまで定量できます。
作用電極の構造
クロスフローセルの作用電極の標準タイプは、デュアルガラス状カーボン電極です。この電極は、二つの直径3mmのガラス状カーボンが配置したデュアルシリーズモードまたは、それを90゜向きを変えてデュアルパラレルモードとして使用できます。デュアルシリーズ電極のアプリケーションにより、選択性が向上します。パラレルモードでは、異なる印加電位での応答比率から、物質の同定が行えます。デュアル電極は、二つの電極をジャンパーピンにより、電極表面積が倍増して高感度分析が行えます。作用電極として白金、金等もご用意しています。
ラジアルフローセルと作用電極の構造
流速が10µL/min、あるいはそれ以下ではクロスフローセルでは検出効率は向上しません。ラジアルフローセルはマイクロボアークロマトグラフィーに特別に開発された検出方法です。流速が10µL/minあるいはそれ以下になると検出効率が向上します。ラジアルフローセルは、ウォールジェットとは異なり左右対称なデザインと、薄層電極の組み合わせから構成されています。
ウォールジェットの流速は電極表面を直撃後3次元的に広がりますが、ラジアルフローセルは、液が薄層電極を直撃した後、ラジアルフローにより2次元的に電極の中心から外周に流れ感度が向上します。
4) デュアル電極の原理
図3-5.電気化学検出器に用いられる電極の構造
図3-6.UVモニターとECDの原理の比較
●分析条件
●サンプル:ラット脳組織
●移動相
○モノクロ酢酸、アセトニトリル
○THF、Na2EDTA、SOS含有
●カラム:バイオフェーズODS-4 4.0x110mm
●電位:700mV,800mV
●レンジ: 10nAF.S.
図3-7. 脳組織サンプルを並列型電極を用いて分析したクロマトグラム
図3-8.蛍光光度計と電気化学検出器の比較
ノルエピネフリン、エピネフリン、ドーパミン、Dopac、セロトニン、5-HIAAおよびHVAからなる7成分の測定を電極を直列にしてLCECにより分析したクロマトグラムを示す。