6-3 ガラス状カーボン電極の研磨
電気化学 測定に用いる作用電極の研磨には三つの段階がありますが、必ずしも三段階すべての研磨を行なう必要はありません。電極表面状態によって、適切な研磨剤をお選び下さい。
第一段階:ガラス状カーボン表面の大きな凹みを無くします(粗削用パッドと蒸留水を使用)
第二段階:電極表面を大まかに研磨します(ダイヤモンド研磨剤とダイヤモンド研磨用パッドを使用)
第三段階:仕上げをします(アルミナ研磨材とアルミナ研磨用パッドを使用)
効果的に研磨を行なうためには、各段階ごとに各パッドならびに電極表面を水で洗浄するようにして下さい。流水で電極表面から研磨剤を洗い流し、各研磨剤が混ざらないようにしなければいけません。 特に最終(第三)段階のアルミナ研磨に移る前には、粒子径が違うので、必ず洗浄するようにして下さい( 図6-1 参照)。
1) 粗削り
この研磨は粗削用研磨パッドに水を滴下して行ないます(図6-1-1 参照)。 粗削用研磨パッドの表面を十分に水で湿らせ電極面をパッドの上に置き、8 の字を描くように軽く力を加えて研磨します(図6-1-3 参照)。強い力を加えないようにして下さい。電極表面に大きな傷を付けてしまうことになります。研磨用パッドを最大限に利用するために、パッド全体上で円を描くようにします。研磨を30 秒〜 2 分程度行なうと表面の大きな凹みが無くなります。
もし、長時間研磨を行なう場合は、水を追加するか、パッドを交換して下さい。次の段階に移る前に、電極から完全に汚れを洗い流して下さい。
2) 中間研磨
この研磨は、ダイヤモンド研磨剤とダイヤモンド研磨用パッドを使用し、(図6-1-2参照) ダイヤモンド研磨剤 をよく振った後、パッドの上に8 〜 10 滴程度滴下して研磨を始めます。この研磨を約2分間行なうと、表面に輝きが出てきます。次の仕上げ段階の前に、完全に研磨剤を洗い落とし、電極表面をアセトンで拭き研磨剤を取り除きます。
3) 仕上げ研磨
この最終仕上げ研摩段階では、電極表面の傷を取り除きます。アルミナ研磨用パッドに水を10 滴程度落とした(パッドが湿る程度) 上にアルミナ研磨剤を数滴のせ、研磨を始めます(図6-1-2,3 参照)。3 〜 4 分後、蒸留水で完全に研磨剤を洗い流し、表面を柔らかい紙(キムワイプ等) で拭きます。