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主に電気化学の初心者を対象とした、電気化学測定に使用する作用電極の種類とその用途、選択方法についての基礎的な内容です。
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これから電気化学を始める方のための作用電極の基礎-その6:炭素電極-3
これらは酸化還元指示薬や電気化学活性なたんぱく質の酸化還元電位を知るためのメディエータとして使われてきたものである1,2)。
外圏電子移動型分子種では電子移動は表面状態(モノレーヤ吸着、酸素官能基の有無などの)にあまり依存しない。フェロフェリサイアナイドは外圏型と見做されることが多いが、GC電極に関しては必ずしも当てはまらないようである。実際、電極表面状態に極めて敏感であることに注意が必要である。一方、ドーパミンやNADHなどはOH基を介しての水素結合への吸着サイトの存在が重要になる。また、Fe2+/3+、Eu2+/3+、V2+/3+の水和物イオンではカルボニル基の有無に大いに依存する。例えば、表面のカルボニル基をつぶすためにジニトロフェニルヒドラジンで単分子修飾すると外圏型のRu(NH3)62+/3+では殆ど影響を受けないが、Fe2+/3+、では電子移動は極端に遅くなる。ところがカルボニル基を有するAQDSを吸着させたGC電極では電子移動は吸着無しよりも速くなる。(下図)この他、ジニトロベンジルクロライドで水酸基をつぶす処理ではカルボニル基は残っているのでFe2+/3+のレドックス反応はあまり影響を受けないことも示されている3)。