あ行 か行 さ行 た行 な行 は行 ま行 や行 ら行 わ行 A〜Z
あ行
用語 | 解説 | |
アノード | 電気化学的酸化反応が起きる状態にある電極。 | |
アノード分極 | 酸化反応が起きるように電極に電位を正方向に印加してゆくこと。 | |
アンペロメトリー | ボルタンメトリーの一種。電極に一定電位を印加した状態で、流れる電流を測る方法。 | |
イオン | 金属から電子が抜けると+イオンになる。中性の分子から電子が奪われたり、付加したりすると、それぞれ+イオンや−イオンになる。金属でもフェロシアンイオンや過マンガン酸イオンはトータルでは−イオンである。中性状態から電子が余分か、不足した状態を、それぞれ−イオン、+イオンと呼ぶ。 | |
イオン透過性ガラス | 多孔質ガラスのこと。吸水性、吸着性に優れ、フィルター、半透膜、触媒、乾燥剤などに利用される。電気化学の分野においては、参照電極の液絡部などに用いられる。 | |
インピーダンス | 電圧/電流の関係で得られる量。直流では抵抗のことを指すが、交流における、この関係から得られる量をインピーダンスという。 | |
塩橋 | 混ぜ合わせたくない2つの溶液間の電気的導通をとるために使用する道具。塩類(KClやKNO3など)と寒天を水に溶かし、ガラスU字管中で固化した寒天橋がその一例。 | |
液液界面 | 混ざり合わない2つの液体(水とジクロロエタンなど)の境界面をいう。濃度の異なる共通イオンを含む電解質を2つの液体に溶解させることにより分極させることができ、2つの液体中に入れた電極により分極電位を変え、界面を横切ってイオンを移動させることが出来る(イオン移動ボルタンメトリ)。 | |
オペアンプ | 広い周波数範囲で増幅度が大きく、2入力端子の入力インピーダンスが極めて大きく、出力インピーダンスが小さな直流増幅器(直流においても増幅度が大きい。交流増幅器ではオペアンプの機能は出せない)のこと。これらの特徴のため、種々の能動回路を作ることができる。普通は出力側から入力側に帰還(フィードバック)をかけて使用し、いろいろな機能(関数、演算。オペアンプはオペレーショナル・アンプリファイアー、演算増幅器の略)、反転増幅器、ボルテージホロワー、足し算、引き算、積分、微分、各種のフィルターその他が利用できる。ポテンショスタット、バイポテンショスタット、など、電気化学計測は大いに恩恵を受けている。 |
か行
用語 | 解説 | |
回転リングディスク電極法 | 内側にディスク状の電極、その外側に同心にリング状の電極が取り巻き、一体となって回転する電極。電極表面の溶液は電極の回転運動の遠心力で外側に流される。それを補うために溶液は回転軸を中心軸として電極に向かって流れる。このような強制的で定常的な物質輸送によってできる電極表面の拡散層の厚さは回転数に依存し、回転数が大きいほど薄くなる。ディスク電極での反応生成物は外側のリング電極で検出される。 | |
カウンター電極 | 対極のこと。電気化学計測は作用電極一本だけでは不可能である。最低2電極が必要である。作用電極と組んで電流の閉回路を作る。 | |
拡散 | 物質輸送機構の一つ。濃度勾配を駆動力として、濃い方から薄い方に分子種は移動する。 | |
拡散支配 | 電子移動速度が相対的に速い場合、全体の反応速度が拡散速度で決められる。これを拡散律速とか拡散支配という。 | |
カソード | 電気化学的還元反応を起こさせる電極。 | |
カーボンナノチューブ | グラファイトの一枚のシートがチューブ状に閉じたナノスケールの炭素。一枚のシートからなるものと、数枚のシートが同心円状にチューブを作ったものがある。興味深い性質を示すので大いに注目を集めているナノテクノロジーの一つ。 | |
ガラス状カーボン | 炭素電極の代表的なもの。硬く稠密。酸化方向、還元方向に電位窓が広く、電気化学的に使いやすい。ミクロにはベルト状のグラファイトリボンがからみあった構造をなすといわれている。エッジ面、ベーサル面が混在して表面に出ているという具合に理解されている。 | |
ガルバノスタット | 一定電流を流すための装置。 | |
カロメル電極 | 参照電極の一つ。水銀/塩化第一水銀からなり甘汞電極ともいう。 | |
還元 | 分子種に電子を与える反応。酸化はこの反対で、分子種から電子を奪う反応。 | |
基準電極 | 参照電極のこと。作用電極に対する電位基準として使う。 | |
球状拡散 | 電極のサイズが小さくなると、電極に対して垂直方向の拡散(平面拡散)だけでなく、0〜180度方向の拡散も加わり輸送効率が増大する。微小電極では平面拡散から球面拡散が優勢となる。 | |
銀塩化銀電極 | 参照電極の一つ。銀線の表面を塩化銀の型にし、塩化物イオンを含む水溶液中に浸漬した電極。 | |
くし形電極 | 光リソグラフィー技術で作製した、微小くし形の電極を2個、対向させたもの。化学的に可逆な系に対して片側で酸化、もう一方の電極で還元を起こさせ、レドックスサイクルを作ることで検出感度を増大できる。 | |
クロノアンペロメトリー | 電解が起こらない電位から起こる電位にステップ状の電位を印加し、印加後の電流を測定する。電流は時間の平方根の逆数で減衰する。時間の平方根の逆数を横軸に、電流値を縦軸にプロットすると、その勾配から拡散係数などが求められる。 | |
クロノクーロメトリー | クロノクーロメトリー(CC)はクーロメトリーのうちの一部である。電量の時間変化を測定するもので、クロノアンペロメトリー(CA)の電流を積分したもの。従って、パルスボルタンメトリーの範疇に入る。CAと同様の情報の他に吸着の情報も得らる。クーロメトリーはこれらを含むものであるが、一般にはバルク電解による電量測定を指すことが多い。 | |
クロノポテンショメトリー | 一定の酸化または還元電流を流しておき、電位の時間変化を測定する。電極表面の還元体または酸化体の濃度がゼロになると電位は急激に変化する。この電位変化に要する時間を遷移時間と呼び、これから拡散係数または濃度が求められる。 | |
クーロメトリー | 電流量を時間積分して電荷量として測定する手法。電荷量は分子量に比例するので分子の絶対量がわかる。 | |
固液界面 | 電気化学では電極と電解質溶液の境界面をいう。一般に二重層容量が形成される。 |
さ行
用語 | 解説 | |
サイクリックボルタンメトリー | 電位掃引を時間について規則的に繰り返す最も多用されているボルタンメトリー。一方向の掃引で生成した分子種を逆掃引で確認したり、電子移動速度の見積もり、反応の可逆性や生成物の安定性、不安定性を推定したり、反応機構の考察などに利用される。 | |
錯体 | 金属の周囲に配位子を配位させた化合物。例えば、ルテニウムイオンの周囲に2座配位子であるビピリジンを3個、配位させた6配位8面体錯体であるRu(bpy)32+など。 | |
作用電極 | 目的対象の電気化学反応を起こさせ電気化学計測を行おうとしている電極。 | |
酸化 | 分子種から電子を奪う反応。還元はこの反対、分子種に電子を与える。 | |
酸化還元反応 | 還元とは分子種に電子を与える反応。酸化とは分子種から電子を奪う反応。酸化と還元反応が対になって起こる反応。 | |
参照電極 | 基準となる電極。 | |
三電極法 | 作用電極、対極、参照電極の3つの電極を組み合わせて行う計測法。電気化学計測の一般的なやり方である。 | |
支持電解質 | 電気化学計測では普通、測定対象溶液に電解質を溶かす。これを支持電解質とよぶ。目的は溶液に電気伝導性を与えることと、物質輸送における電気泳動の寄与をできるだけ少なくして拡散が優先するようにしたいからである。 | |
準球状拡散 | 微小電極では平面拡散から球面拡散が優勢となる。くし形電極などのマイクロバンドアレイ電極では、かまぼこ状の準球状拡散を呈する。 | |
照合電極 | 参照電極のこと。 | |
充電電流 | 容量電流ともいう。電位の時間変化の大きさと二重層容量に比例した電流が流れる。ファラデー電流ではないので普通は、測定の邪魔になることが多い。CVのような一定の電位掃引には必ずこの充電電流がともなう。 | |
水晶振動子 | 水晶の圧電効果を利用して周波数精度の高い発振回路を作ることができる。QCMのような微小重量変化の測定に利用される。 | |
掃引 | 電位を時間に対して振ること。 | |
走査型電気化学顕微鏡 | 微小電極をプローブとして、目的試料の上部、近傍を走査する。プローブ電流は試料表面の形状や電気伝導性や電気化学的性状などの影響を受けて変動する。この変動を2次元像として可視化、解析することにより目的情報が得られる。空間分解能はプローブ電極のサイズで決まるが、数十ナノ〜サブミクロンの分解能が達成されている。腐食、膜中イオン移動、バイオ物質の研究等々、広い分野の研究に応用が期待されている。 |
た行
用語 | 解説 | |
対極 | 作用電極の対になる電極。電気化学計測は少なくとも2つの電極が必要である。目的対象の電気化学反応を起こさせる電極を作用電極、これの対となるのが対極である。電流を作用電極に流すためにどうしても必要。ポテンショスタットで作用電極の電位を正確に規制するが、対極の電圧は電流に応じて変動する。 | |
対流ボルタンメトリー | 普通のボルタンメトリーは静止下で行う。これは対流による物質輸送をできるだけ避けるためである。一方、対流を積極的に利用しようというのが対流ボルタンメトリーである。回転電極法、HPLCの検出法などがこれの代表的なもの。 | |
ターフェルプロット | 電解電流の絶対値の対数を電位に対してプロットしたもの。一般には定常分極曲線に対応するものである。反応機構の解析に利用される。 | |
定電位 | 印加電位を固定すること。 | |
電位 | ポテンシャル。電子のエネルギー状態。電極の電位をマイナス方向にするということは電極中の電子のエネルギー状態を上げることだから、電子が出やすくなる、つまり、溶液中の分子種の還元に都合がよくなる方向である。逆に電極の電位をプラスに振るのは酸化の方向である。 | |
電位窓 | 電極が分極しうる電位範囲。 | |
電荷 | 電子はマイナスの電荷を持っている。分子種が電子過剰だとマイナス、不足だとプラス荷電の状態になる。 | |
電気化学インピーダンス法 | 電気化学系を交流インピーダンス測定で解析する手法。界面電子移動、物質の拡散、電荷の充放電、イオンの移動、媒体の電気伝導度その他、種々の素過程を電子回路素子や拡散素子などからなる等価回路に置き換えて解析を進めることが多い。現象を数理的に表現して、そこからインピーダンスを計算し、実測値と比較する解析法も行われる。 | |
電気二重層 | 電極表面の電荷の過不足状態に応じて、溶液との界面で溶液側に電気的な中和を保つために電解質イオン(+または−イオン)の過剰配列状態が生じ、電気二重層が形成される。 | |
電気分解 | 電気化学的な酸化または還元反応を起こさせること。 | |
電子スピン共鳴分光法 | 電子はスピン=1/2でマイナス電荷をもつ素粒子である。対をなしていない電子(不対電子)をもつ分子種はラジカルと呼ばれ電子スピン共鳴(ESR)の対象になる。不対電子は磁場中でエネルギー準位が分裂し、電磁波の吸収により、準位間を遷移する。これがESRである。通常、マイクロ波領域の電磁波が使用される。有機化合物や遷移金属化合物が対象になり、得られたスペクトルは分子中のスピン密度分布解析や構造解析に用いられる。電極反応によりラジカルを生成することがあり、EC-ESRのような結合したかたちで利用される。 | |
等価回路 | インピーダンス測定により電気化学反応を含む現象をいろいろの素過程に分解し電子回路素子(抵抗、コンデンサー、インダクタンス)やワールブルク素子やその他の素子で置き換えて回路を再構成するインピーダンス解析法の一つ。 |
な行
用語 | 解説 | |
ネルンストの式 | 電極活物質の濃度と電極電位の間の関係を規定する式。 | |
燃料電池 | アノードで水素分子の酸化、カソードで酸素分子の還元が起こり、トータル、水素と酸素から水が生成する反応の自由エネルギー変化を電気エネルギーとして取り出すことのできる電池。 | |
ノイズ | 目的の信号の邪魔になる雑音信号。 | |
濃度勾配 | 濃度に空間的な濃淡があること。 |
は行
用語 | 解説 | |
バックグラウンド電流 | 電極に流れる電流の中で、目的とするファラデー電流の他に流れる、望まない電流のこと。電極と溶液の界面には電気二重層が形成される。即ち、電気容量(キャパシティー、コンデンサー)である。コンデンサーに蓄えられる電荷は、容量×電圧(電荷=容量×電圧、Q=C×E)となる。電極電位を変化させるということは電位に時間変化を与えることである。つまり電荷が時間変化をする、即ち、電流が流れるということになる(dQ/dt=CdE/dt)。これが容量電流または充電電流である。電極電位が時間に対して変化する限り、容量電流は避けられない。これがバックグラウンド電流の原因の一つとなっている。 | |
バルク電気分解 | 電解液中の目的成分をすべて電解して生成物にすること。 | |
比較電極 | 参照電極のこと。 | |
微小電極 | 電極サイズが10ミクロン程度以下になると、球面拡散が優先してきて平面拡散に比べて輸送効率が格段に向上する。電流の絶対値は減少するが、電流密度は1桁程度も増加する。その他、優れた特徴がいくつかあり、定常的なシグモイド形のCVが得られるのもその一つである。 | |
非分極性電極 | 電極反応が定常的に起こって電位を任意に変えることのできない電極。参照電極として使われる水素電極(白金黒/水素イオン/水素ガス)、銀/塩化銀電極、甘汞電極など。 | |
光電気化学 | 電気化学と光を組み合わせた手法一般を指す。電気化学反応生成物を光学的手法(紫外可視分光、赤外分光スペクトル測定など)で解析することや、半導体電極に代表される太陽光エネルギーの有効利用などの合成的面もある。 | |
表面抵抗率 | ITOのように、電気抵抗を決める物質の膜厚が極薄の場合(20nm〜200nm程度)の抵抗率を表すのに表面抵抗率ρs、ρs=Ω/□またはΩ/sqを使う。□またはsqは無次元である(バルク物質の抵抗率ρbの単位がΩ・cmであるのと対照的である)。これは極薄膜の表面抵抗はバルク部分の寄与を無視できるという考えに基づいている。従って、表面の形状だけによって抵抗は決まる。即ち、表面抵抗=ρs×(L/W)である(Wは電極の幅、Lは電極間の距離。W、Lともに長さの次元であり、これがρsの単位がΩ/□になる理由である)。つまり、電極間距離Lが電極幅Wより大きいと、表面抵抗は、より大きくなり、逆に幅Wが電極間距離Lより大きければ、表面抵抗は、より小さくなるということである。サイズではなく、WとLの比が表面抵抗を決めるというわけである(一方、バルクの場合はWの代わりに電極表面積Sを使うためρbの単位がΩ・cmとなるのである)。 | |
平面拡散 | サイズの大きな電極では拡散は電極平面に直角方向が優勢となる。 | |
ファラデーの法則 | 一定の電荷量が一定の分子等量に対応している。96500クーロンが1分子等量。 | |
ファラデーケージ | 外部ノイズを防ぐために、同電位にした金属容器で閉じた空間を構成する装置。 | |
ファンクションジェネレーター | 関数発生器。時間に対する関数(例えば、三角波、矩形波、パルス波、階段状波など)。これらの波形をポテンショスタットの外部入力として使う。現在では、これと一体化したポテンショスタットが市販されている。 | |
腐食 | 金属上で金属の溶解(アノード反応)と溶存酸素の還元(カソード反応、見かけ上、水が無く、湿気だけでもあてはまる)、水素イオンの還元(カソード反応)が組みあわせて起こる場合。アノード反応で遊離した電子が、カソード反応で使われる。これを局部電池を構成するというが、このようにして金属のアノード溶解、すなわち腐食が起こる。 | |
分極 | 電位を印加しても電流が定常的に流れない状態。 | |
分極性電極 | 電位を印加しても電流が流れない電位範囲がとれる電極。白金、金、炭素電極など。 | |
補助電極 | 対極のこと。 | |
ポテンショスタット | 作用電極の電位を参照電極に対して一定にする装置。作用電極と対極間の電流を正確に測り、参照電極には電流を流さないようにする仕組みになっている。 | |
ポテンショメトリー | ボルタンメトリー、クーロメトリーとならんで電気化学計測法の柱の一つ。電流一定(ゼロおよび一定電流)の下で、電位を測定する。 | |
ポーラログラフィー | 広くは分極させるということで、ボルタンメトリーを意味するとしてよいが、歴史的役割から狭くは水銀電極を作用電極とするボルタンメトリー。 | |
ボルタモグラム | 電位を横軸に、電流を縦軸にプロットしたもの。 | |
ボルタンメトリー | 電位規制(一定または掃引)の下で電流を測定。 | |
ボルテージホロワー | ホロワーというのは追いかけるという意味の言葉で、古くはカソードホロワー(真空管の時代)、エミッターホロワー(トランジスターの時代)、ソースホロワー(FETの時代)という具合に、電子回路工学の分野で使われてきたものである。たいていがインピーダンス変換回路で、高インピーダンスから低インピーダンスに変換して信号の取り扱いを容易にするのが目的。その伝で、オペアンプではボルテージホロワーは電圧を何の変化(歪)なく(やはりインピーダンス変換が目的)後段に伝える目的の回路である。 |
ま行
や行
用語 | 解説 | |
有機EL | 有機物中に注入された電子と正孔の再結合によって生じる励起子によって発光する。機構としては発光ダイオードと似ている。薄型ディスプレー材料として注目されている。 | |
溶存酸素 | 溶液に溶けている酸素。電気化学的還元されるので、しばしば測定の邪魔になる。邪魔になるときは窒素などの不活性ガスでバブルすることにより、一時的に除去する。 | |
容量電流 | 充電電流を参照。 |
ら行
用語 | 解説 | |
ラプラス方程式 | 定常状態の現象を記述する2階偏微分方程式で、ラプラシアンをゼロとおいた場合である。この方程式を満たす関数を調和関数という。正則関数の実部、虚部ともに調和関数である。2次元では下記のようにあらわされる。 |
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ルギン管 | 参照電極を作用電極の近傍に配置したことと同じ働きをさせるための小道具。先端を細くしぼり湾曲させたガラス管で、その中に参照電極を入れる。湾曲したガラス細管の先端を作用電極の近くに設置する。ガラス先端は作用電極付近と同電位であり、ガラス管内には電流が流れないので参照電極も同電位になる。 | |
レドックスサイクル | 酸化還元が引き続き起こり、リサイクルする結果、電流が大幅に増大する。 |
わ行
用語 | 解説 | |
ワールブルグ・インピーダンス | 拡散過程によるインピーダンス。低周波領域に現れることが多く、ナイキストプロット上で周波数が低くなるとともに実軸に対して45度の傾斜で増加する。 |
A〜Z
用語 | 解説 | |
ASV | アノードストリッピングボルタンメトリーのこと。カソード電位を一定時間印加して、金属イオンを電極に析出させる。その後、アノード方向に電位を掃引することにより電着していた金属を再溶解させて酸化電流を測定し金属の定性、定量を行う。極めて感度の高い分析法の一つ。 | |
CV | Cyclic Voltammetry の略。サイクリックボルタンメトリーのこと。 | |
DPV | 微分パルスボルタンメトリーのこと。時間幅の短い電位パルス印加では、充電電流はファラデー電流より速く減衰する。電流サンプリングを印加パルスの後半部に設定することにより充電電流の寄与を殆ど無視できるようにできる。SWVとならんで最も大きな検出感度を得ることができるパルス法の一つ。 | |
E過程 | 電子移動過程のこと。 | |
EC過程 | 電子移動過程とその生成物の溶液内化学反応過程が継続して起こる過程のこと。 | |
ECE過程 | EC過程に更に引き続いて溶液内化学反応生成物が電極で電気化学反応による電子移動過程を伴う場合をいう。 | |
EQCM | Electrochemical Quartz Crystal Microbalance の略。QCMに電気化学を組み合わせた方法。水晶振動子に金電極を蒸着したものを用いる。電極への吸着や析出、およびそれらの溶出による重量変化と電気化学反応過程が同時に観測できる。 | |
ESR | Electron Spin Resonance の略。電子スピン共鳴分光法のこと。 | |
HOPG | Highly Ordered(Oriented) Pyrolytic Graphite の略。高度に配向したパイログラファイトのこと。 | |
iRドロップ | 作用電極と参照電極間の溶液抵抗のせいで、作用電極と対極間に流れる電流が作る電圧降下(iは電流、Rは抵抗、いわゆるオームの法則の結果である)をいう。ポテンショスタットではこの電位分を制御できないので(そのため、この抵抗を未補償溶液抵抗ともいう)、外部から指定した電位が作用電極に正確に印加されないことになる。これを補償するために備えられているポテンショスタットのポジティブフィードバック機能で、一定程度の補償は可能である。 | |
ITO | Indium-Tin Oxide の略。ガラス基板に酸化インジウム膜を生成させたもの。光透明電極として用いられる。 | |
ISFET | Ion Sensitive Field Effect Transistor の略。イオン選択性電界効果トランジスターのこと。 pHセンサーが代表的なもの。小型固体pH計が市販されている。 | |
NHE | 標準水素電極のこと。水素イオン活量1、1気圧の水素ガスのもとで白金黒電極が示す電位をゼロと定め、電位の基準とする。 | |
PEEK | Poly Ether Ether Ketone(ポリエーテルエーテルケトン)の略。ポリマー。耐薬品性、耐熱性、耐磨耗性、成形性の良さなど優れた特性を持つ高分子材料。HPLCの配管チューブや化学器具材料として用いられている。 | |
PFC | Plastic Formed Carbon の略。黒鉛粉体を高配向させることで電極特性の良いEdge planeを一方向に揃え電極面に露出させるとともに、ガラス状カーボンと複合体化することで電解液が浸透しないように制御して作製した炭素材。 | |
QCM | Quartz Crystal Microbalance の略。水晶振動子をセンサー基板として微小重量変化を測定する方法。 | |
SCE | 飽和甘汞電極のこと。参照電極の一つ。 | |
SECM | Scanning Electro-Chemical Microscopy の略。走査型電気化学顕微鏡のこと。 | |
SPR | Surface Plasmon Resonance の略。表面プラズモン共鳴のこと。 | |
SWV | 矩形波ボルタンメトリーのこと。DPVに類似しているが、パルス波形は等時間隔である。 |